憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】方法の錯誤(その4)

玄人:では、「具体的法定符合説」と「抽象的法定符合説」の構成要件の理解の違いを見ていこう。
まず、規範を類型化したのが構成要件だ、という点で、両説は共通する。
どこが、違うのだろう?

阪奈:「具体的法定符合説」は、「その人」の認識を必要としますが、「抽象的法定符合説」は、「その人」の認識は不要で「人」であることの認識さえあれば良いと考えています。
つまり、「その人」の認識の要否で違いがあります

流相:え~と、よく分かりません。

阪奈:「客体の錯誤」の事例でもう一度説明します。

方法の錯誤(3)図

阪奈:この事例では、Aは、目前の人を丙だと思っています。しかし、実際にはその目前の人は丁という人でした。「具体的法定符合説」でも、本当は丁である目前の人を丙と思っていても、「その人」を殺すという認識はありますから、故意は阻却されません。「具体的法定符合説」では、目前の「その人」の属性の認識までは不要としているわけです。

流相:え~と、目前の「その人」の属性の認識までは不要だと理解するのが「具体的法定符合説」だと・・・。

阪奈:別の例をあげると、目前の人が大学教授だと思って、その目前の人を殺す意図をもってその目前の人を殺した、という場合、その目前の人が実は、大学教授ではなかったとしても「具体的法定符合説」からは生じた結果に対して故意が認められます。分かりますか?

流相:あ~、目前のその人が大学教授であるとかの属性は問題としないというのが「具体的法定符合説」である、ということですね。

阪奈:そうです、そうです。

玄人:流相君も理解してくれたようだ。
具体的符合説への有名な批判は、具体的法定符合説の「具体的認識」の内容を抽象的法定符合説が狭く解して批判しただけだといえるだろう。 批判をする際、相手を黒くしておいて、批判するということが多々あるから、気をつけないといけない。
それはそうとして、「その人」の認識の要否は、規範 、構成要件の理解において、両説でどうなっているのだろうか?

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信することができます。

24人の購読者に加わりましょう

Twitter

参加ブログランキング

応援クリックのご協力お願いします!!
 ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ

About Copy Right

※当ブログにおける文章および内容・キャラクターは当ブログオリジナルのものであり、著作権は当サイトにあります。
商用・私用を問わず当サイトの著作権記載の無い【無断転載・無断印刷・無断複製、模倣および転用】を固く禁じております。
※当サイトは司法試験に関するブログやサイトに限り、リンクフリーです。サイト名とリンクをお間違えの無いようお願いいたします。
また、当ブログへのコメント・トラックバック、クレジット付きのリンク引用などは歓迎しております。
その場合、連絡は不要です。