憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【一試論】表現の自由論(7)―憲法過去問(平成27年)その11―【対話】司法試験論点分析・終

流相: A市の反論を踏まえて、「あなた自身の憲法上の見解を論じ」るわけだね。
 どうする?

阪奈: 私としては、大枠として、

使用者としての政府
広い裁量論

阪奈: いずれも否定して、Bに有利な主張をするわね。
 それについては、〔設問1〕でいろいろと検討したからここではこれくらいにしておきたいと思います。

流相: そうはいっても、阪奈さんが言った

Y採掘事業では高い経済効果と税収・雇用の増加が見込まれるため、高度の政策的判断が要求されます。
そこで、誰を採用するかについては政策的判断に優れている行政の判断を尊重すべきだ、とA市は反論するでしょうね。

流相: という反論を覆すのは難しいような気が…

阪奈: そこは、こう反論すればいいと思うわよ。
職員の募集では通常、採用する側に広い裁量が認められるのは確かです。
が、Y採掘事業の安全性確保とこれに対する市民の信頼確保というY対策課の設置目的実現のためには、政策的判断が要求されるというより専門的判断が要求されます。
そのため、職員に必要な能力・資質としてまず、専門的知識があるか否かを問うべきで、専門的知識があり、勤務実績も他の者を下回っていない場合は、それでもBを採用しない積極的な理由が必要になる。
にもかかわらず、A市は、Bの過去のY採掘事業に反対の意見を述べたBの表現を理由に正式採用を拒否しています。
Bの憲法上の権利行使を理由に正式採用を拒否することは、Bを採用しない積極的理由とは言えません。
そもそも、その理由を持ち出すこと自体違憲であるとも言えるのですから。
だから、A市に広範な裁量はないと。

神渡: なるほどです。

流相: たしかに、そう考えることもできそうだね。
 難しいなぁ。

払猿: これまで検討してきたことは、この場での一試論であることは忘れないでください。
 そもそも、Bの憲法上の主張として「権利の論理」を考えることもできるわけで、皆さんには、是非、「権利の論理」での構成も考えておいてほしい。
 原告としては通常「権利の論理」を主張することが多いのですから。
 他に検討すべきことは多々ありますが、今日の講義はこれで終わりたいと思います。
 しっかりと復習しておいてください。
 それでは、お疲れ様でした。

---終---

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