憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】被害者の同意(その2)

玄人:では、「被害者の同意」の本題に入ろう。
まず、大きくどういう対立がある?

流相:同意の体系的地位を構成要件に位置付ける見解と、違法性阻却事由に位置付ける見解があります。

玄人:それぞれの帰結はどうなる?

流相:同意の体系的地位を構成要件に位置付ける見解によると、有効な同意があることで構成要件に不該当となります。当然、違法性阻却の段階まで検討する必要はありません。
これに対して、同意を違法性阻却事由とする見解は、有効な同意があっても、構成要件該当性は認められますが、違法性が阻却されることになります。

玄人:有効な同意があった場合、結論はどうなる?

流相:どちらの見解からも無罪となると思います。

玄人:そうすると、これらの見解の対立は、実益がない対立ということになるのかな?

流相:結論的にはそうなるかと・・・

阪奈:私はそうは思いません。

玄人:じゃ、どうなる?

阪奈:被害者の同意をどこに位置付けるかで、被害者の同意の重みが違ってきます。

玄人:というと?

阪奈:被害者の同意を構成要件に位置付ける見解は、被害者の同意に決定的な意味を持たせています。
対して、被害者の同意を違法性阻却事由に位置付ける見解は、被害者の同意を相対的なものと扱います。

玄人:そうだね。
それは、何故だろうね?

阪奈:(何故だろう?)

玄人:構成要件、違法性阻却にはどういう役割があるかな?

阪奈:え~と、法益侵害があれば、構成要件該当性が認められますから、構成要件は法益侵害の有無を判断する役割があります。
違法性阻却は法益侵害と同等かあるいはそれを上回る利益がある場合に違法性を阻却するのですから、法益を衡量する役割があると思います。

玄人:ということは?

阪奈:被害者の同意を構成要件に位置付ける見解は、被害者の同意を法益侵害の有無を判断する要素として位置付ける見解といえます。この見解は、被害者の同意があれば、法益侵害がなくなると判断しているのだと思います。
対して、被害者の同意を違法性阻却事由に位置付ける見解は、被害者の同意を法益衡量の1要素と位置付ける見解といえます。この見解は、被害者の同意を、被害者と加害者の法益を衡量する際の1要素と位置付けるのですから、被害者の同意から直ちに違法性阻却を認めることはできないのだと思います。

玄人:そういうことだ!皆、大丈夫かな?

神渡:被害者の同意を法益侵害の有無を判断する要素として位置付ける見解からは、被害者の「同意」に決定的な意味を認める構成要件不該当説が、被害者の同意を法益を衡量する際の1要素と位置付ける見解からは、被害者の「同意」を相対的なものとする違法性阻却事由説が導かれるということで良いですか?

玄人:そうだ!

神渡:体系的な理由は分かりましたが、何故、被害者の同意を構成要件に位置付ける見解と違法性阻却に位置付ける見解があるのでしょうか?その実質的理由が私には分からないのですが・・・

玄人:良い質問だ。
神渡さんに、説明することができる人は?

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