憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

未遂の教唆【対話】司法試験論点分析・”暗黒の章” 共犯論20

玄人: 「共犯の処罰根拠論」を巡る学説について一応まとめておこう。
 流相頼むぞ!

流相: え〜、なんで僕が・・・

 え〜と、こういうことですよね。

共犯処罰根拠論学説

玄人: そうだな。
 学説名を整理しておくと、この講義で使った
・「不法惹起説」は修正惹起説と呼ばれることがある。
・「修正惹起説」は混合惹起説と呼ばれることがある。
 同じ学説名で違う学説を扱っていることがあるので、学説名ではなく内容を確認するようにして欲しい。

神渡

「修正惹起説」=「共犯従属性説」+「因果的共犯論」

神渡:ということなんですね。

玄人: これまでに分析したことを元に、共犯の個別論点を検討してみよう。
 「未遂の教唆」から行こう。
 「未遂の教唆」とは?

神渡: 初めから未遂に終わらせる意図で教唆することです。

玄人: うん。
 具体例は?

神渡: 大塚仁先生の基本書に載っている事例があります。

丙が防弾チョッキを着用していることを知っている甲が、乙に対して、丙をピストルで射殺するように唆したような場合(大塚仁『刑法概説(総論)[第三版]』(有斐閣、1997年)295頁)

神渡:です。

甲→乙→丙(防弾チョッキ着用)

玄人: 基本の確認をしよう。
 乙の罪責は?

流相: 殺人未遂罪が成立します(203条、199条)。

玄人: うん。
 で、いよいよ甲の罪責を検討する。
 考えられる罪名は?

流相: 殺人未遂の教唆(61条、199条)だと思います。

玄人: その通り!
 では、甲に殺人未遂の教唆犯は成立するか?

神渡: それは、「共犯の処罰根拠論」から検討します。
 共犯独立性説からは、教唆行為は終わっていますから、未遂の教唆は成立します。
 共犯従属性説のなかで「責任共犯論」と「不法共犯論」は同じ結論になると思います。

玄人: どういう結論?

神渡: 成立するという結論です。

玄人: うん、そうだ。
 理由は?
 何が問題になってる?

神渡: えっと・・・

流相: 教唆の故意の内容が問題となります。

玄人: じゃあ、因果的共犯論の2説からはどうなる?

流相: 未遂の教唆は成立しません。

玄人: 何故?

流相: 教唆の故意がないからです。

玄人: 結論はそうだな。
 では、どうして、教唆の故意の内容に違いがあるんだ?

---次回へ続く---

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