憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

「固有犯説」vs「借受犯説」【対話】司法試験論点分析・”暗黒の章” 共犯論18

玄人: 「純粋惹起説」は「修正惹起説」よりも正犯の存在をかなり軽く見るから、共犯責任を「1次的責任」と見ている(見たい)、と理解してもいい。

神渡: しかし、「共犯の処罰根拠」を巡って何故このような両極端の考え方があるのでしょうか?

流相: なんだか、今までの議論を踏まえると、どうも「純粋惹起説」は、「共犯の処罰根拠」と「正犯の処罰根拠」を同じと理解しているように思います。

玄人: いいところに気づいたねぇ。
 そういうことなんだよ。「純粋惹起説」は、今流相が言ったように考えているんだ。
 葛原先生もそう書いている。

純粋惹起説は、共犯の処罰根拠は法益侵害結果の因果的惹起に尽き、その点で正犯の処罰根拠と全く共通である(葛原力三『共犯の処罰根拠と処罰の限界(上)』(法学教室2004年2月号<281号>、64頁)

流相: えっへん!

神渡: ということは、「修正惹起説」はそうではないのですね?

玄人: 「純粋惹起説」からするとそういうことになる。
 葛原先生は、「修正惹起説」(葛原先生は、私がここで「修正惹起説」と呼んでいる学説のことを「混合惹起説」と呼んでいるのだが)は、

借受犯説的(葛原力三『共犯の処罰根拠と処罰の限界(下)』(法学教室2004年3月号<282号>68頁)

玄人:と言って批判している。

流相: えっと、「借受犯的」というのは、「可罰性借用説」のことですか?

玄人: そうだ。

流相: それは違うんじゃないでしょうか?
 だって、この講義で言っていた「不法共犯論」なら、たしかに、正犯の違法を惹起したことが共犯の処罰根拠となりますから「借受犯的」と批判されてもしょうがないですが、「修正惹起説」は、「純粋惹起説」と同じ「因果的共犯論」ですから、「借受犯」ではないと思いますが・・・

玄人: いや、「純粋惹起説」は自説以外の学説は、「借受犯」もしくは「借受犯的」だと批判している。
 自説だけが、共犯を「固有犯説」と考えていると主張している。

「固有犯説」vs「借受犯説」

玄人:の対立が、「共犯処罰根拠論」の対立軸になっている。
 さらに言うと・・・

---次回へ続く---

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