憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

作為正犯を不作為で幇助する典型例から考える!【対話】司法試験論点分析◇刑法過去問講義-その20-◇平成26年度[刑事系科目 第1問]

神渡: <行為の危険性支配>と<因果経過の支配>の検討ですか?
 幇助の場合もその基準で良いのですか?

玄人: 良い質問だ!
 そもそも「幇助」とは?

神渡: 実行行為以外の方法で実行行為を容易にする、促進する行為です。

玄人: 不作為による幇助とは?

神渡: 一定の期待された作為をしないことで、正犯の実行を容易にすることだと思いますが。

玄人: そうだ。
 たとえば典型例は?

神渡: え~と・・・
 あっ、たとえば、深夜のスーパーに不法侵入して泥棒に来た犯人を、その犯人が友達だったので、捕まえずに物を盗ませたスーパーの警備員などだと思います。

玄人: そうそう。
 それが典型例だな。
 警備員の仕事は泥棒を捕まえることにあるから、警備員は泥棒を捕まえるという作為をすることが期待されている。つまり、保障人的地位にあるわけだ。
 だから、その警備員がその泥棒を捕まえないでいることは、不作為による幇助となる。
 ただ、この典型例は、正犯が作為犯の場合だった。
 正犯が不作為犯の場合の不作為による幇助はどうなる?

神渡: ・・・
 ややこしいです。

玄人: 正犯が不作為犯であるわけだから、正犯は一定の期待された作為をしないことで、結果発生の危険性を生じさせているわけだ。
 この問題で言うと、正犯甲は、Aに母乳を与えて育児をするという作為をすることが期待されていた。にもかかわらず、その作為義務を果たさない(つまり母乳を与えない)ことでAに生命の危険を生じさせたんだ。
 その甲を丙が不作為で幇助するということは、甲がAに母乳を与えないという不作為を困難にさせる作為義務が丙にないといけないんだ。
 分かるかな?

神渡: はい。
 つまり、甲の不作為を丙が不作為で幇助したというためには、Aに母乳を与えるように甲を説得する等の作為義務がないといけない、ということですね。

玄人: そう、そう、そういうことなんだ。
 Aに母乳を与えるように甲を説得する等の作為義務が本問の丙にあったのだろうか?
 その検討をすれば良いわけだ!

流相: ははぁ~、ややこしいですけど、分かりましたぁ。
 じゃあ、不作為による幇助の作為義務の判断基準はどうなりますか?
 甲の作為義務を検討した際の基準(排他的支配説)とは違うことになりそうですが・・・

---次回へ続く---

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