憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

作為”正犯”との同価値性 【対話】司法試験論点分析◇刑法過去問講義-その9-◇平成26年度[刑事系科目 第1問]

流相: では、(b)具体的依存性説はどうなんですか?

阪奈: ちょっとは、自分で本を調べたら?
 山口先生の本によると、

この見解は、不作為者の法益に対する密着性に着目し

阪奈:とあるわよ。 

流相: ということは?

阪奈: ということは・・・
 いやいや、何誘導しようとしてんのよ!

流相: ・・・(ばれたか)
法益保護の観点に着目してるんだよね?

阪奈: そうだと思うわよ。
 ”作為による結果惹起”との同価値性、つまり、不作為犯も作為犯と同様に結果惹起を理由に処罰しなければならない、ということを言っているのだと思うわ。

玄人: そういうことになる。
 法益にもっとも密着した不作為者に作為の同価値性を肯定する、という考え方が(b)具体的依存性説だといえる。
 (a)先行行為説では、作為と不作為の存在構造の違いに着目していたが、
 (b)具体的依存性説では、刑法の目的である法益保護に着目している、という違いがある。

神渡: そうだったんですね。

流相: (c)排他的支配説はどこに着目しているんでしょうねぇ?

玄人: 結論から言うと、
 作為”正犯”との同価値性に着目している。
 ”作為による結果惹起”との同価値性を”作為正犯”との同価値性と捉えるわけだ。

流相: つまりは、”正犯性”に着目するわけですね。

玄人: うん、そうだ。
 ここで1つ聞いてみよう。
 ”正犯”とは?

流相: もちろん、”実行行為者”です。

玄人: うん。
 じゃあ、間接正犯の場合の背後者は実行行為者?

流相: 他者を道具として利用していますから、背後者を実行行為者とみることができます。
 ですので、背後者が実行行為者、つまり”正犯”です。

玄人: たとえば、Aが甲に、Bを殺さなければ甲の子供を殺すと言って、甲の子供を人質にして脅したので、甲がBをナイフで刺し殺した場合、実行行為である刺殺行為をしたのは甲だろ?
 なんで、背後者のAが正犯となるんだ?

流相: あ~、えっと、それは・・・

神渡: Aが甲の刺殺行為を”支配”していたからだと思います。

玄人: そうだ。
 刺殺行為を物理的にしたのは甲なんだが、Aが甲の子供を人質に甲を脅した行為は、甲をAの意のままに道具のようにあやつったと規範的に評価することができる。
 だから、規範的にBを刺殺したのはAだと評価することができるんだ。
 つまり、規範的に見て、Aが実行行為をしたといえるわけだ!
 じゃ、間接正犯を含めて、”正犯”とは?

流相: 実行行為を支配した者、
ということだと思います。

玄人: そうだ。
 では、さらに聞こう。
 ”実行行為”とは?

流相: さっきから謎掛けみたいな問答が続きますね。
 どうつながっていくのか全く分かりません・・・

玄人: 騙されたと思ってまずはついてくるんだ、流相!

---次回へ続く---

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