憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

『「処分」該当性の判断基準』 【対話】司法試験論点分析◇行政法過去問講義-その5-◇平成25年度<第2問>

富公:さて、いよいよ、「処分」該当性の判断基準を検討しましょう。
あらためて、「処分」とは何でしたか?

阪奈:「処分」とは、

公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているもの(最判昭和39年10月29日)

阪奈:をいいます。

富公:では、この定義のポイントをみていきましょう。
主体は誰ですか?

流相:「国または公共団体」です。

富公:「国」や「公共団体」でありさえすればいいんでしょう?

流相:主体の面ではそうだと思いますが・・・。

富公:「国または公共団体」の前に何か言葉がありませんか?

流相:「公権力の主体たる」という言葉があります。

富公:そうですよね?
その言葉が重要なんです!

流相:ですが、「国」や「公共団体」って、公権力を行使する機関ですよね。
この言葉に意味があるようには見えないんですが・・・。

富公:たとえば、東京都が事務用品販売店甲から印刷用紙を買う場合を想定してみましょう。
この場合、誰と誰が契約主体ですか?

流相:東京都と甲です。

富公:そうです。
甲は民間企業です。
では、東京都は?

流相:えーと、民間企業ではもちろんありません。
国家権力です。

富公:たしかに東京都は国家権力の主体ですが、あらゆる法律関係において国家権力主体ではありませんよ。
今挙げた例では、東京都と甲は売買契約を締結していますね。
売買契約はあくまでも“契約”です。
“契約”当事者はどういう存在ですか?

流相:“どういう存在ですか?”ですか?
う~ん・・・

富公:“契約”概念は“近代”とともに生まれましたね。
その“近代”の特徴と関係するのですが。

流相:あぁ、“平等”な存在、ということですか?

富公:そうです。“契約”当事者はあくまでも“平等”な存在です。
そうしますと、先の例でも、東京都は甲と“契約”を締結している以上、甲と同じく平等な立場にあるはずです。
とすると、東京都が公共団体だからといって、あらゆる法律関係において、当然に国家権力主体として現れるというわけではないですね。
私人(私企業)と平等の立場に立つこともあるわけですから。

流相:あ~!そうですね。
そういうことなんですね。

富公:ですから、
「公権力の主体」という言葉は「処分」の該当性を判断する際にとても重要なキーワードになるんです。

神渡:ですが、富公先生、「公権力の主体」ってどう判断するんですか?
東京都というだけで「公権力の主体」ではないとすると、東京都がどういうことをする場合に「公権力の主体」となるのか私には分からないのですが・・・

富公:良いところを突きますね。
とても良い質問です。
「公権力の主体」該当性の判断基準がさらに問題になるんです。

---次回へ続く---

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