憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

『“法律による行政原理”と“第三者効”』 【対話】司法試験論点分析◇行政法過去問講義-その3-◇平成25年度<第2問>

神渡:でも何故、抗告訴訟は“行為訴訟”になるんでしょうか?
“権利訴訟”でも良いのではないか?と思うのですが・・・。

富公:鋭い指摘ですね。
抗告訴訟が“行為訴訟”であるのは何故か?
ここが行政法理解の1つのポイントです。
ここも、民事訴訟との比較で検討してみましょう。

民事訴訟の目的は何ですか?

流相:え~と、私法秩序維持説、手続保障説や紛争解決説など色々考え方があるんですが・・・。

富公:あ~、まぁ、そうですね。
では、実務的にはどう考えられていますかね?

流相:???

阪奈:おそらく、権利保護的な発想かと思います。
判例・実務は訴訟物論争においていわゆる“旧訴訟物論”を採用しています。
“旧訴訟物論”は、実体法上の権利をそのまま訴訟に審判対象(訴訟物)として反映させる考え方ですから。

富公:阪奈さんがおっしゃるとおりでしょうね。
民事訴訟は、個人の権利保護を目的とした手続である、という前提で行きましょう。
そうすると、民事訴訟の特徴はどうなりますか?

阪奈:争っている当事者だけで権利の存否を確定する、
という点が特徴かと思います。

富公:そうですね。
具体的にはどうなりますか?

阪奈:原告甲が被告乙に対して、土地Aの所有権が原告にあるとの確認を求める訴訟で、原告甲に土地Aの所有権があると確定されても、第三者丙との関係で甲に土地Aの所有権があると確定されるわけではない、ということになります(相対効)。
strauss行政法過去問講義H25(2)

富公:そういうことになりますね。
この“相対効”ということが民事訴訟の特徴の1つなのです。

では、翻って、抗告訴訟はどうなるでしょうか?

阪奈:典型的な抗告訴訟である取消訴訟の判決効は、第三者に対しても効力を持ちます(行政事件訴訟法32条1項)。

富公:「第三者」の範囲については議論がありますが、ここではそこまで踏み込みません。
民事訴訟の原則である“相対効”が抗告訴訟では修正されている、ということがポイントです。
では何故、民事訴訟の原則である“相対効”が抗告訴訟では修正されているのでしょうか?
条文に書いてあるから、ということでは不十分ですよ。

流相:(あっ、先に言われちゃった・・・)

阪奈:行政法の大原則である、
法律による行政原理
に関係すると思います。

富公:鋭いですね。
具体的には?
まずは、「法律による行政原理」とは何ですか?

阪奈:一言で言うと、
行政活動は、法律に従って行われなければならない
という原則です。

富公:そうですね。
では、その「法律による行政原理」が「第三者効」にどうつながるんでしょうか?

阪奈:民事訴訟で“相対効”原則が採用されていたのは、民事訴訟の目的が当事者の権利保障にあったからです。
民事訴訟の目的が相対効につながっているのですから、行政法の目的が「第三者効」につながるはずです

ここで、行政法の基本原則は先ほどから出ています
法律による行政原理」です。
これは、行政活動を国会が制定した法律で規律することを目的としています。
ということは、行政法の目的は、法律による行政活動の規律にあるはずです。
そうすると、行政法の目的は、行政の恣意をコントロールすることにあります。
行政の法律適合性」とも言います。

流相:「行政の法律適合性」が「第三者効」とどうつながるんですか?

---次回へ続く---

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