憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】司法試験論点分析-民事訴訟法-過去問講義-7<既判力・平成10年第2問>

神渡:でしたら、前訴確定判決に生ずる既判力は訴訟物である土地明渡請求権の存否にのみ生じ、建物収去義務にまでは既判力は生じないのではないですか?

流相:ふ~む、
たしかに!
既判力は訴訟物たる権利の存否にのみ生ずるわけだから・・・。

上場:たしかにそういう疑問が出てきますね。
考え方としては2つあるかと思いますよ。
1つ目は、既判力は訴訟物たる権利以外にも生じる、と考える。
2つ目は、既判力は訴訟物たる権利のみに生じる、という考え方を維持する。

流相:既判力は訴訟物たる権利以外にも生じる、という考えは、かなりチャレンジングな見解ですよね。
既判力は訴訟物たる権利に生じるという考えが定説的な考えだと思いますから。

神渡:上場先生、私の理解では、この問題は、
訴訟物を、建物収去土地明渡請求権1個とみるのか、
訴訟物を、建物収去請求権と土地明渡請求権の2個とみるのか、
だと思ったんですが・・・

上場:・・・
そうだね、神渡さんの言うとおりですね。
いや、失礼しました。

さて、気を取り直して。
では、この問題、訴訟物をどう捉えますか?

阪奈:(神渡さん、やるわね)

神渡:訴訟物は建物収去土地明渡請求権1個とみるのが実務だと思います。

流相:建物収去義務も訴訟物に含まれる、ということになるんですかね?

上場:どう考えますか?

流相:え~と・・・

神渡:あの、民法では、土地賃貸借契約が終了した場合、賃借人は、原状回復義務を負います(616条、598条)。
土地の賃借人が土地上に建物を建てていたのであれば、土地賃借人は土地を原状に回復しなければならないわけですから、土地賃借人土地上の建物も収去しないといけないことになるのではないですか?

流相:あ~、たしかに!
そうすると?

阪奈:自分でも考えなさいよ!!

流相:・・・

神渡:そうすると、
土地賃借人は地上建物を収去する義務を原状回復義務として負います。

流相:え~と、
つまり、土地明渡義務に地上建物収去義務も含むということかな?

神渡:そうなると思います。

流相:とすると、
建物収去義務についても既判力が生じるということになる・・・

阪奈:そうなるわね。

流相:じゃ、建物買取請求権を後訴で行使することは前訴確定判決の判断内容と矛盾するということになる。
よって、小問3の建物買取請求権を行使して前訴確定判決の効力を争うことはできない、ということになる・・・?

阪奈:ノンノン!
ここからがこの問題の重要なところでしょ!

---次回へ続く---

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