憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】司法試験論点分析-国際私法(総論)4

錆新 :さて、国際私法の「思考枠組」をまずはおおざっぱに説明しましょうか。
教科書ー「国際関係私法入門・第3版(松岡博編)」(有斐閣、2012年)ーの事例をあげます。

≪事例≫

S国に常居所を有する18歳のS国人Xが、日本を旅行中に、日本の電気店Yでノートパソコンを買いました(この売買契約については、準拠法を日本法にするとの合意があります)。しかし、翌日、XがYに来店し、「自分は20歳未満であり未成年者なので、契約を取り消して返品するから代金を返してほしい」と告げてきました。この取り消しは認められるでしょうか?
なお、S国法では成年年齢は18歳です。

錆新 :ここでまず検討する「思考枠組」は、
(1)法律関係の性質決定(法性決定)です。
ここで法的に問題となっているのは、S国人Xが当該契約を未成年を理由に取り消すことができるか?ということです。大丈夫ですね?
ここまでは、日本の民法の思考そのままです。
しかし、国際私法においては、次の思考が必要となります。つまり、
契約の取消しにかかわる成年年齢が何歳かという法的問題は、通則法4条にいう「人の行為能力」という単位法律関係に該当するのか?
それとも、契約の有効性に関する通則法7条以下の「法律行為の成立」に該当するのか?ということです。
この問題意識は、上の教科書に書いてある通りです。

神渡 :「人の行為能力」なのか「法律行為の成立」なのかで、検討する内容が変わってくるのでしょうか?

錆新 :もちろんです。
良い質問です。神渡さんの言うとおりなんですね。
国際私法では、この単位法律関係をどう捉えるのかで、それ以降の司法試験答案の筋が全く変わってくることが多いのです。
逆に言うと、(1)法律関係の性質決定(法性決定)で単位法律関係の選択の分析を間違うと、司法試験においてダメな答案となってしまうのです。国際私法を勉強する上で一番気をつけなければならない部分です。
「スタートが肝心」ですよ。
(1)法律関係の性質決定(法性決定)については、国際私法の「思考枠組」全体を見渡した後で、詳しく見ていくことにしましょう。

錆新 :次は、(2)連結点の確定です。

・・・(5)へ続く。

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