憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】司法試験 平成25年度憲法の分析(その10)

払猿:「あなた自身の見解」を述べるにあたって、まずは、これまでの議論の筋をまとめておきましょう。誰かまとめてみてください。

流相 :はい。
「主張」として、デモ行進の自由は「集会・・・の自由」で憲法上保障され、その自由は「集会・・・の自由」の核心で保障され、制限強度も内容規制として強いと考えました。
そして、保護範囲論、保護強度、制限強度に照らすと、処分の憲法適合性については、裁判所が独自のスタンスに立って判断すべきで、具体的には、A「明らかに差し迫った危険の発生が客観的事実に照らして具体的に予見可能な場合」に処分の憲法適合性を認めるべきだとしました。
「反論」では、デモ行進の自由が憲法21条で保障されることを前提に、「集団暴徒化論」により、保護強度が弱く、内容中立規制なので制限強度も弱いので、緩やかな審査基準でいくことになりました。
あっ、緩やかな審査基準は、具体的にはどういう基準なのでしょうか?

払猿:そうでした。決めていませんでしたね。

阪奈:B「処分目的を達成するための合理的な手段であるか」、という緩やかな審査基準で良いのではないでしょうか?

払猿:まあ、そうですね。そんなところで良いと私も思います。
これまでの議論を踏まえて、「自身の見解」をどうするかが問題となります。ここの部分は、自由に書いても良いと思いますよ。

流相:具体的には、AとBのどちらを採るかだと思いますが、結論だけで良いのでしょうか?これまでの検討で、それぞれの理由を書いてきているので、もはやこの段階で新たに書くことはないと思うのです。

阪奈:「保護範囲論」に争いはないので、ここで書くことはないと思います。
しかし、本問では、「主張」と「反論」で保護強度と制限強度で違いがあります。「集会・・・の自由」の核心部分での保障か、内容規制なのか内容中立規制なのか、については、自身の見解をもって説明する必要があるように思います。

流相:それは分かりますが、その説明も既に検討したのではないでしょうか?もはや新たに議論することはないように思うのですが・・・。

神渡:基準Aに至ったのは、「二重の基準論」を前提としたからで、基準Bに至ったのは、「比例原則」を前提としたからでした。ということは、「自身の見解」の所では、このいずれが妥当と考えるか、ということを書くべきではないでしょうか?問題を分析する段階では検討しましたが、実際に答案では、いずれが妥当か、までは書かないと思います。
「二重の基準論」では、精神的自由権の制約には厳しい態度で接します(権利論)が、「比例原則」では、精神的自由権か否かという権利の性質ではなく、保護強度と制限強度との相関関係で審査基準を決定します。ですので、「権利論」の妥当性、「比例原則」の妥当性を検討して、基準A・Bを選択するという流れになるのではないでしょうか?

払猿:良いのではないでしょうか?
「権利論」、「比例原則」いずれが妥当かを検討する際は、「個人の尊厳」や「民主政過程」をどう考えるかがポイントとなります。これらの違いについては、始めに「審査基準論」と「三段階審査論」との比較で検討したので、そこを思い出しておいてください。
結論から言っておきますと、『審査基準論』では、「民主政過程」への配慮を重視し、『三段階審査論』では、「個人の尊厳」を重視しています。あなた自身が、どちらを採用するかは、「民主政過程」と「個人の尊厳」とのどちらを重視するかに関係してきます。ひいては、憲法の考え方に影響されますので、しっかり考えておいてください。
いずれの基準を採用するにせよ、きちんと理由を踏まえて書いてあれば、問題ないと思います。

では、次は、あと一つの不許可処分を検討しましょう。

→その11へ続く。
     

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