憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【目的効果基準の射程】―憲法過去問(平成24年)―【対話】司法試験論点分析・8

流相: どう明らかなのでしょうか?

払猿: 神渡さんがおっしゃっていたと思いますよ。

流相: 神渡さん、なんて言った?

神渡: えっと、たしか…
 相当とされる限度を超えたかどうかの判断基準として「目的効果基準」を使うという文脈、と言ったかと。

阪奈: あっ!
 つまりは、国家と宗教が関わっていくことを前提に、国家と宗教が引っ付きすぎていないかを判断する基準が「目的効果基準」ということに。

払猿: そうですね。
 「目的効果基準」は、

国家と宗教が関わっていくことを前提

払猿: としています。
 ある国家行為が宗教と関わる、ということは、その行為をする前はどうなっていますか?

神渡: 宗教とは関係なかった、ということですか?

払猿: そうです。

阪奈: つまりは、「目的効果基準」は、これまでは宗教と関係なかったのに、ある行為をすることで国家が宗教と関わる場面で、行き過ぎたかかわりになっていないかどうかをチェックするための基準ということに。

神渡: 「目的効果基準」とは、

これまでは宗教と関係なかったけども、ある国家行為により、国家が宗教と関係してくる場面

神渡:で問題となる、ということですか?

払猿: 私はそう考えています。
 今、神渡さんがおっしゃったことが「目的効果基準」の射程だろうと考えています。
 抽象的に言いますと、

単発的作為により、国家が宗教と関係してくる場面

払猿:が「目的効果基準」の射程だろうと思います。

神渡: 空知太神社訴訟には「目的効果基準」の射程が及ばない、ということですね。

払猿: 空知太神社訴訟はどういう事案でしたか?

流相: はいはいはい、それは僕が。
 簡単に言いますと、

神社であることが明記され、鳥居も設置されている空知太会館の用地として30年以上市有地を無償で貸していた行為が政教分離規定に反するかどうかが問題となりました。

阪奈: 正確には、地方自治法の住民訴訟(242条の2第1項第3号)だったけどね。

流相: ともかく、空知太神社訴訟では、30年以上も市有地を宗教施設の用地として無償で貸与し続けていた、という継続的行為が問題となったんですよね?

払猿: そうですね。

阪奈: 単発的作為を前提とする「目的効果基準」は空知太神社訴訟には適用されないということになります。

神渡: なるほど!

流相: でも、どうして「目的効果基準」は単発的作為を想定したんでしょうか?

阪奈: それは、行為の目的と効果に着目するのが「目的効果基準」なのだから、特定の単発的行為が対象となるのは分かる気がするけど?

神渡: そうですね。
 継続的行為においては、日々の行為が何日も何週間も何か月も何年も連なっていくわけですから、その全ての行為の目的効果を検討するなんてのは無理でしょうね。
 継続的行為には「目的効果基準」はなじまないと思います。
 ん?
 ですが、空知太神社訴訟と同日に下された富平神社事件との関係はどうなりますか?

---次回へ続く---

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