憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】司法試験 平成25年度憲法の分析(その5)

払猿:行政庁の法要件該当性判断の審査は具体的にはどうなりますか?

阪奈:法令の構造審査の考え方を用いることができると思います。
具体的には、
(1)保護強度と
(2)制限強度
との相関関係により判断されます。
本問は、デモ行進の自由が制限されている事案でした。デモ行進は憲法21条1項の「集会・・・の自由」の核心部分での保障です。
また、その制限は、外部的事情による不許可であり、かつ、内容規制にあたりますから、最強強度の制限にあたります。よって、行政庁の法要件該当性判断は、憲法21条に適合するように裁判所が独自のスタンスに立って判断すべきだと思います。
そこで、明らかに差し迫った危険の発生が客観的事実に照らして具体的に予見可能な場合に、法要件該当性を認めるべきだと思います。
本問で、B県公安委員会は、B県集団運動に関する条例3条1項4号、B県住民投票に関する条例14条1項2号「平穏な生活環境を害する行為」、同3号「商業活動に支障を来す行為」にAのデモ行進が該当すると判断して不許可処分をしています。
Aのデモ行進を認めることが、客観的事実に照らし明らかに差し迫った具体的危険を生じさせるかを裁判所の視点から判断すべきだと思います。

払猿:皆さん、ここまでは大丈夫ですか?
「処分」を憲法問題とする場合、行政庁の判断の憲法適合性を検討するということです。
本問では、阪奈さんが先程言及したように、「明らかに差し迫った危険の発生が客観的事実に照らして具体的に予見可能」な場合に、法要件該当性を認めるということになりました。
では、本問はB県公安委員会の判断は合憲となるでしょうか?本問の具体的事情を拾って説得的に論証する必要がありますね。
阪奈さん以外で、誰か挑戦しませんか?

流相:はい。
第1回目のデモ行進では、拡声器等を使用せず、平穏にデモを実施し、かつ、ビラの類を配布せずゴミを捨てないようにして市民の平穏な生活環境に徹底的に配慮しています。苦情もほとんどありませんでした。第2回目のデモ行進も同様に平穏に実施しています。第3回目のデモ行進も第1回目・第2回目と同様の態様で実施しようと計画していたのですから、デモ行進を認めても、明らかに差し迫った具体的危険の発生は認められないと思います。

神渡:ですが、第1回目のデモ行進では飲食店から売上げが減少したとの苦情がありました。
そして、第2回目のデモ行進では、更に多くの飲食店からデモ行進の影響で売上げが減少したという苦情に加えて、住宅街での交通事故発生への不安や騒音被害を訴える苦情が出されています。その原因の一端は、住民投票が近く実施されるために参加者が増えたことにあります。
第3回目のデモ行進は、その第2回目の人数を超える2000人での予定です。また、住民投票Hが近づいてきて一層住民の関心が高まっているという客観的事実に照らしますと、第3回目のデモ行進を認めることは、明らかに差し迫った(平穏な生活環境破壊などの)具体的危険を生じさせるようにも思えるのですが・・・。

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