憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

司法試験『対話式 論点分析』<基本書分析-憲法-宍戸常寿【憲法 解釈論の応用と展開】第2版>

神渡:コンコン

払猿:はい。

神渡:払猿先生、基本書のことでお伺いしたいことがあるんですけど、今お時間よろしいですか?

払猿:良いですよ。
ちょうど一休みしようと思っていたところです。

神渡:ありがとうございます。

今日は、宍戸常寿先生の
『憲法 解釈論の応用と展開』(日本評論社、2011年)
という本についてお伺いしたいのですが・・・

払猿:今、受験生の間でよく読まれている本ですね。
設問があって、その設問を巡って学生ABが簡単に答案構成をする、という作りになっていますね。
しかも、その学生の構成が受験界で流通している誤解に基づくものだから勉強になると思いますよ。

神渡:そうですよね。
この本で、受験界の誤解が如何に多いかを思い知らされます。
第1章1公共の福祉
から「本当に~!?」
という驚きのオンパレードですから・・・。

払猿:あはは、そうですか。
“公共の福祉”は簡単なようで難しいですからね。

神渡:大抵の教科書では、公共の福祉論として
一元的外在制約説
   ↓
内在・外在二元的制約説
   ↓
一元的内在制約説
という流れが書かれています。
そして、現在は一元的内在制約説が通説だというわけです。
芦部先生の本でもそう書いてあります。

払猿:そうですね。

神渡:ですが、人権相互の矛盾衝突を調整するという一元的内在制約説でいくと、居住移転の自由と衝突する人権って何なのか分からなくなります。
学生Aと同じ疑問にぶつかるんです。

払猿:そうなんですよね。
そこが、通説とされている一元的内在制約説の理解のしにくい点ですね。
その点、宍戸教授は

<人権vs人権>ではなく、<憲法上の権利vs他の国民の利益を実現する政府の利益>

払猿:という理解が妥当だとしていますね(宍戸常寿『憲法 解釈論の応用と展開』10頁)。
そう理解しないとかなりおかしなことになりますね。人権として構成できない利益も人権と位置づけなければならなくなるわけですから。

神渡:そうなのですね。
この本を読むまで知りませんでした。
また、
3憲法上の保護の範囲と程度
という項目も読んでみると目から鱗が落ちました。
そもそも、憲法上の権利の保護範囲に含まれるのか?という議論があること自体、受験生は知らないかもしれません。
何でもかんでも人権とした上で、審査基準論で解決するという思考が受験生には強い気がしますから。

払猿:そうですね、受験生が陥りがちな間違いを指摘しながら正しい方向へ導いていくというのがこの本への私の評価です。
分析の仕方も三段階審査論にのっとって
(1)保護範囲
(2)制約
(3)正当化
という枠組を用いているのも分かりやすいと思いますよ。

神渡:私もそう思いました。
これまでは、憲法って何からどう書けば良いのか分からなかったんです。
その点、刑法は明確です。
(1)構成要件
(2)違法
(3)責任
の順番ですから。
三段階審査論も刑法みたいな体系が憲法にもあることを教えてくれたので、憲法の分析をしやすくなりました。

払猿:そうですね。
この本をしっかりと読み込めば憲法の答案を書くことが容易になってくるはずです。
今の調子で宍戸先生の本を読んでいけば憲法は得意科目になると思いますよ!

神渡:わかりました。
今日はありがとうございました。



---司法試験『対話式 論点分析』<基本書分析-憲法-宍戸常寿【憲法 解釈論の応用と展開】>終---

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