憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

興味深い議論ですが・・・【対話 司法試験論点分析】承継的共同正犯の山口新説を巡って・5・終

阪奈: 

先行者が保障人的地位に立つのは、先行者が暴行や脅迫を加えたから(山口厚『承継的共犯論の新展開』法曹時報68巻2号(2016)18頁)

阪奈:だとすると、いかに、先行者の暴行行為後、後行者が共謀加担したとしても、暴行行為をしていない後行者は被害者の反抗抑圧状態を創り出した先行者の暴行行為を支配したとは言えないように思うのよねぇ…

流相: たしかに、そうだ!

阪奈: 私の疑問、本当にわかってる?

流相: も、もちろん。
 山口先生の新説のポイントは、後行者が先行者に共謀加担することで、先行者の保障人的地位を共有する、ということだろ?
 共謀加担することで、先行者の保障人的地位を共有するのか?と疑問なわけだ!

阪奈: そうなの。

流相: 山口先生のその試みは成功していないように思うけどねぇ。

神渡: たしかに、共謀加担で先行者の保障人的地位を共有するという説明は良くわからない…
 後行者は先行者の暴行に因果的に関与していないのだから、後行者は被害者に暴行を加えたとは言えない。
 そうであれば、先行者の暴行行為後に後行者が如何に共謀加担したとしても、先行者の保障人的地位を共有することはできないように思える…
 因果性で先行者の保障人的地位の共有を説明することができないのであれば、共謀があることで価値的に被害者に暴行を加えたと評価することになるのでは?
 でも、そう考えると、因果性がないにもかかわらず、共犯処罰を認めることになって、山口先生が採用している因果的共犯論と矛盾するはず…

阪奈: そうなのよねぇ…
 私もそこのところが疑問で困っているの。

流相: ま、山口先生も、”試論”だと書いているのだから、これから修正するかもしれないし。
 我々受験生レベルでは、そこまで理解する必要はないでしょ?
 やりすぎだよ。

神渡: そのとおりかもしれない…

阪奈: まぁ、流相の言う通りなのだけどね。

流相: 受験生的には、山口先生の試論以外の中間説か因果的共犯論に基づく否定説のどちらかで十分でしょ?
 僕たちは、刑法だけじゃなく、他の科目も勉強しなくちゃならないんだからさ。

阪奈: 悔しいけど、流相の言う通りね。
 山口先生の試論については、今後の学説の深化を待つしかなさそうね。
 今のところは、因果的共犯論から否定説を採用することで十分ね。

流相: そうそう。
 というか、山口説にはまりすぎだよ、阪奈は。
 そんなに結果無価値論が良いのか?
 意味が分からないんだけど?

阪奈: あんたは分からなくていいの!
 はい、もう終わったんだから、あっちへ行け!
 シッシッ!

流相: 酷いな!

神渡: じゃ、またね、流相君!
 ありがとう。

流相: いやいや、良いんだよ。
 僕も勉強になったし。また、一緒に勉強しようねぇ。

---終---

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