憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】司法試験 平成25年度憲法の分析(その2)

払猿:デモ行進が「集会・・・の自由」で保障されるとする神渡さんの保護範囲論の論証は良かったですね。憲法21条1項の条文をよく読んでいることが伺えました。
では、続けてください。

神渡:次は、(3)正当化論です。
本問では、Aは「社会福祉関係費の削減の是非」を巡って「格差の是正」を訴えるために、デモ行進を予定していました。B県では、「社会福祉関係費の削減の是非」が、知事と県議会が激しく対立する政治問題となっていたのですから、その是非を巡る政治的主張をAはデモ行進で訴えようと計画したのです。ですので、Aの計画したデモ行進は政治的デモ行進です。よって、このデモ行進は、精神的自由権の行使です。
そうしますと、審査密度としましては、デモ行進を不許可としたB県公安委員会の処分に、違憲の推定を働かせるべきです(二重の基準論)。

払猿:「審査基準論」からはそうなりますね。

神渡:その上で、(ア)保護強度と(イ)制限強度の相関関係により具体的な審査基準を立てます。

払猿:良いですよ。

神渡:まず、(ア)保護強度から検討します。
デモ行進は、「動く集会」の典型例ですから、「集会・・・の自由」の核心部分での保障と考えます。
ただ、ひっかかるのは、「集会・・・の自由」が典型的には静的な自由(移動しない)を保障している点にあります。デモ行進は、場を移動する動的な集会の自由ですから、保護強度は静的な集会の自由よりも弱くなる気がするのです。

払猿:良い疑問ですね。誰か意見のある方は?

流相:設問1は、Aの訴訟代理人としての立場から憲法上の主張をせよ、と言っているわけですから、保護強度に関しても、デモ行進であっても静的な集会の自由と同レベルでの保障だと言い切れば良いのではないでしょうか?

阪奈:そうだとしても、その理由が問題となります。

払猿:そうですね。
どうしますか?

流相:う~ん。

神渡:あっ、集会の自由は、静的な集会だけでなく、デモ行進もその中核に含まれると解することができるのではないでしょうか?つまり、「集会」は一定の場に集合することをいいますが、その集合自体が動的要素を含むものとして理解すれば「動く集会」も「集会・・・の自由」の核心部分で保障されるといえると思います。

払猿:そうですね。そういう論理でもいいでしょうね。
ただ、21条の趣旨から論証する事ができるともっと良いと思います。
誰か、挑戦してみませんか?

阪奈:21条の趣旨は、「自己実現」の価値と「自己統治」の価値にあります。集会の自由はその価値に奉仕する自由ですが、複数人が集まることができるだけの場が必要となります。ただ、その場を個人が用意することができることが前提となります(パブリックフォーラムを除く)。
そうしますと、その場を用意することができない個人は自己の政治的意見を表現する機会を失います。しかし、デモ行進は集会の場を持っていない個人であっても自己の政治的意見を表現することができる簡便な手段ですからデモ行進は集会の自由と同程度かそれ以上に「自己統治」の価値に奉仕するといえると思います。
こう考えますと、デモ行進の自由は「集会・・・の自由」の核心で保障されているといえるのではないでしょうか?

払猿:良いと思いますよ。

・・・その3へ続
く。

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