憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【他事考慮】表現の自由論(4)―憲法過去問(平成27年)その8―【対話】司法試験論点分析

阪奈: 「権利の論理」から途中で「制度の論理」に変わったことで、何か不都合でも?
 それでいいんじゃない?
 「利益侵害論」から「権利論」の「保護範囲論」に進んだけど、特定の憲法上の権利の保護範囲には含まれないことが判明したのであれば、「権利論」をあきらめて、「制度の論理」の検討をする、ということね。

流相: ま~、そうなるんだろうけどねぇ。
 「制度の論理」って馴染みがなくて…

阪奈: これから馴染めばいいんじゃない?

神渡: そうね!
 阪奈さんの言うとおりね。
 私頑張る!

流相: だったら僕も頑張る!

阪奈: (現金なやつ)

神渡: とすると、Bの主張にできる限り沿った訴訟活動を行う、という観点から、先の4つの審査基準のどれを用いるのか?ということになるのですね?

流相: さすがに、「行政裁量強調型」は無理だな。
 ほぼ、違憲にならないから。
 とすると、残り3つのうちから選ぶということに。

阪奈: 私個人としては、どれでも良い気がするけど。

流相: は?
 何適当なことを!

阪奈: いやいやいや、ちゃんと理由はあるのよ?
 Bの正当な権利行使を後からBの不利益に考慮してBの正式採用を拒否したことは、今後のBの表現活動へ萎縮効果を与えるにとどまらず、B以外の不特定多数者への萎縮効果を与えるわけだから、市としては、そういう萎縮効果を与えないようにすることが表現の自由(21条)から求められる。個人の権利侵害はないのだけれど、国家には表現に萎縮効果を与えるような権力行使をしてはならないという制限が21条により課せられている。
 なので、正式採用をするかしないかを判断する要素として正当な権利行使、ここでは正当な表現を不利益な事情として考慮することは許されないと考えるべきだと思います。

流相: なんかよくわからないけど、すごくいいこと言ってる気がする…

阪奈: …(はぁ)

神渡: 今、阪奈さんがおっしゃったことは、「裁量過程統制型」の審査基準を用いるべきとの理由に使えますよね?
 Y対策課の設置目的はY採掘事業の安全性とY採掘事業に対する市民の信頼を確保する点にあり、Y対策課の業務内容はY採掘事業の安全性監視や安全性に関する情報提供などであり、その目的や業務内容に照らしてふさわしい能力・資質等を有していると判断された者を正式採用するというのが、募集要項の内容でした。
 Y採掘事業の安全性を監視する等の業務内容からすると、業務内容にふさわしい能力・資質としては、Y採掘事業に全面的に賛成している人よりは、その安全性に専門的見地から疑いを持っている人の方が逆に適していると言えますよね?そういう人の方が、しっかりとY採掘事業の安全確保のために働くと思いますから。
 そうしますと、Bを正式採用するかどうかを判断するにあたっては、Y採掘事業に反対意見を持っていることを考慮してはいけない、ということになると思います。Y採掘事業に反対意見を持っていることを考慮要素としても良いぐらいではないでしょうか?

流相: つまり、A市が正式採用の判断に当たって、BがY採掘事業に関して公の場で反対意見を表明したことがある、という事実を正式採用拒否の理由としたことは「他事考慮」というわけだね。

神渡: そういう理屈が成り立つのではないか?と私は思います。

---次回へ続く---

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