憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

国籍国法vs本国法【国際私法過去問・平成27年】―夫婦財産制<4>―【対話】司法試験論点分析(その4)

錆新: 〔設問〕3の(1)から検討しましょう。

流相: XとYは2000年の来日直後に双方の署名と日付のある書面により、夫婦財産関係を甲国法によって処理する旨の合意をしています。
 この合意により、C土地所有権に関するXYの財産関係にどの国の法が適用されるか?というのが、〔設問〕3の(1)の問題です。
 この合意の『単位法律関係』は、通則法26条2項の「夫婦財産制」に該当します。
 そして、『連結点』は、XYの国籍国である甲国となり(通則法26条2項1号)、準拠法は甲国法となります。
 もっとも、反致(通則法41条)の検討をします。
 夫婦財産制については、先ほども検討したように、反致の適用はありません。

神渡: えっ?
 通則法41条ただし書で反致の適用外とされているのは、通則法26条1項の夫婦財産制ですが…

流相: あっ!ちょっと待ってください。
 え~と…
 あ~、本当だ。

流相

ただし、第25条(第26条第1項及び第27条において準用する場合を含む。)又は第32条の規定により当事者の本国法によるべき場合は、この限りでない。

流相:となっている。
 ということは、反致が成立するということだね?

阪奈: うーん…
 でもなんかおかしいわねぇ。

流相: どこが?

阪奈: だって、反致は日本の国際私法が当事者の本国法を準拠法として指定した場合に問題となると思うのだけれど…
 この問題では、当事者の合意で本国法を選択しているから反致は適用されないのでは?
 つまり、反致の適用はなく、当事者XYが指定した甲国法が準拠法として特定されるのではないかしら?

錆新: ここはややこしいところね。
 結論としては、阪奈さんが言ったことが正しいわね。
 ただ、理由が違う。

阪奈: そうなんですか?

錆新: 通則法26条2項1号をよく読んでみて。

阪奈: え~と、

夫婦の一方が国籍を有する国の法

阪奈:と規定されています。

錆新: そうね。
 では、次に通則法41条の本文を読んでみて。

阪奈

当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。

阪奈:と規定されています。

錆新: 何か違いはない?

神渡: あっ!
 26条2項1号では、

国籍を有する国の法

神渡:とありますが、41条では、

本国法

神渡:と規定されています。
 国籍国法と本国法の違いがあります。

錆新: そう!
 そういう違いがあるのね。
 通則法41条は、「当事者の本国法によるべき場合」に適用される規定だから、国籍国法による場合には、通則法41条はそもそも適用されない、というわけなの。

阪奈: あぁ~。

神渡: なるほど。

流相: そうなのかぁ。

---次回へ続く---

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