憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】憲法(事例問題の解法~審査基準論vs三段階審査論)その8

払猿:「LRAの基準」と「厳格な合理性基準」は、審査密度が異なります。
ということは、具体的にはどうなるのだろうか?

教室内: ・・・

払猿:たとえば、「おおかみ少年」という話がありますね。皆さん、ご存知だと思います。
あの話は、退屈しのぎに「オオカミが来た」と何度も同じ嘘をついては町の人達が驚く様を見て面白がっていた少年が、本当にオオカミが来た時に「オオカミが来た」と言っても町の人に信じてもらえずにオオカミに食べられてしまうという内容でした。

流相:(いきなりイソップ童話?)

払猿:この話で、嘘をついた少年はどうすれば助かったんでしょうね?

流相:嘘をつかなければ助かったと思います。

払猿:まぁ、それはそうですね。

阪奈:(こいつ、本当にだめだ。イソップ童話を頭から否定することを言ってどうするの?)
本当だということを信じてもらうために一生懸命町の人を説得するしかなかったと思います。

払猿:そうですよね。
では、どうすれば説得することができたのでしょうか?

阪奈:え~と・・・、本当に本当だと言うとか・・・

払猿:町の人達は彼の言を信じるでしょうか?

阪奈: ・・・難しいと思います。

払猿:私もそう思います。
一旦、嘘のレッテルを貼られるとそれを覆すのは大変なことです。
審査密度の問題も同じなのです。

阪奈:(なるほどねとうなずく)
つまり、合憲の推定が働くと合憲とレッテルが貼られたと同じですから違憲と認めさせることは大変です。
逆に、違憲の推定が働くと違憲とレッテルが貼られたと同じですから合憲と認めさせることは大変です。

払猿:ということは、「よりゆるやかな規制手段」の存否について立証責任が変わってくるということなのです。
合憲の推定が働く場合は、誰が違憲であるとの立証責任を負うのでしょうか?

阪奈:それは、法律を違憲であると主張したい国民の側だと思います。

払猿:そうです。
では、違憲の推定が働く場合は?

阪奈:法律を合憲であると主張したい国家の側です。

払猿:そういうことになりますね。
まとめるとどうなりますか?

阪奈:合憲の推定が働く場合、違憲を主張する国民が「よりゆるやかな規制手段」があるということを裁判所に訴えてその手段の存在を証明する必要があります。
違憲の推定が働く場合、合憲を主張する国家が「よりゆるやかな規制手段」がないことを裁判所に訴えてその手段の不存在を証明する必要があります。

払猿:うまくまとまったと思います。
具体的な審査基準は同じであっても、審査密度が違うことで、「よりゆるやかな規制手段」についての証明責任が違ってくるということです。
皆さんが答案で書く際、「LRAの基準」と「厳格な合理性基準」とでは、書く内容には違いが出てこないでしょう。両基準の違いは訴訟追行過程での立証責任・主張責任の問題なのですから。
ただ、法律家になった際は、誰が立証責任を負うかは訴訟の帰趨を決するくらいの重要性を持ちますからそのことは心にとめておいてください。

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