憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】憲法(事例問題の解法~審査基準論vs三段階審査論)その6

払猿:「審査基準論」と「三段階審査論」とは、
(1)権利の性質に応じてカテゴリカルに審査密度を設定するのか?
(2)立法目的を審査するのか?
という点で違いがあります。その違いはどこから来るのでしょうか?

教室内: ・・・

払猿:(1)から検討してみましょう。
「審査基準論」は権利の性質に応じてカテゴリカルに審査密度を設定するのですが、ここでいう権利はどういう区分でカテゴライズされていましたか?

神渡:精神的自由権と経済的自由権です。

払猿:そうですね。そこがポイントです。
なぜ、この2つに区分したのでしょうか?

教室内: ・・・

払猿:難しいことはないのですよ?もう皆さんもご存じの知識です。

流相:民主政過程との関係でしょうか?

払猿:そうです、そうです。頑張ってみましょう!

流相:はい!
民主主義の下では、裁判所の役割は、民主政過程の維持にあります。精神的自由権は民主政過程に不可欠の権利ですから裁判所はその権利の制約には目を光らせる必要があります。しかし、経済的自由権は民主政過程に不可欠ではないですから、裁判所はその権利の制約に目を光らせる必要は低くなります。

払猿:そうですね。ということは、「審査基準論」は何に配慮しているのでしょうか?

流相:配慮ですか?

払猿:つまり、何と何が対立すると捉えているのでしょうか?

流相:それは、自由主義と民主主義が対立すると捉えているのだと思います。

払猿:そうです!そこがポイントです。
「審査基準論」は、民主主義を手段として自由を実現すると捉えています。民主主義が正常に機能しているのであれば、自由が実現されているとみて、その結果を尊重することが裁判所に求められるとして裁判所の役割を限定しているのです。
分かりやすく言えば、「審査基準論」は違憲審査権を行使する際に民主主義に遠慮しているといえます。そこが、「審査基準論」の考え方のポイントです。

払猿:では、「三段階審査論」はどう考えているのでしょうか?

神渡:「審査基準論」と対立しているということは、「三段階審査論」は違憲審査権を行使する際に民主主義に配慮していないということではないでしょうか?

払猿:まぁ、そうですね。少なくとも、「審査基準論」ほど民主主義への遠慮はしていないと思います。「三段階審査論」は経済的自由権であっても、保護強度と制限強度とが強ければかなり厳格に比例原則を適用しますからね。違いの理由はそのくらいにしておきましょう。
あと、(2)立法目的の審査については、「三段階審査論」の「比例原則」が法律の存在を前提とする行政法での基本原則であったことが影響しているという理解で良いと思います。
では、これまでに検討した2つの「思考枠組」をまとめてみましょう。(白板に向かって字を書き始めた)

憲法(審査基準論vs三段階審査論)

払猿:以後は、このどちらかの「思考枠組」で事例問題を検討していこう。

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