憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】憲法(事例問題の解法~審査基準論vs三段階審査論)その5

・・・その4からの続き。

払猿:権利論に基づく憲法的論証と三段階審査論に基づく憲法的論証の一番の違いは、「審査基準論」と「比例原則」にあります。

阪奈:「比例原則」は行政法で勉強しました。

払猿:そうですね。「比例原則」は行政法で出てくるキーワードです。「比例原則」とは何ですか?

阪奈:「比例原則」とは、規制目的と手段の比例関係・均衡を求める原則です。行政目的を達成する場合に必要な範囲でのみ行政権限を用いることを許す原則です。

払猿:そうです。
「権利論」に基づく「審査基準論」とこの「比例原則」とはどう違うのでしょうか?

阪奈:(考えたことがない・・・)

払猿:「比例原則」の特徴は何ですか?

阪奈:「比例・均衡」にあります。

払猿:「比例・均衡」ということは事情に応じて規制手段が変化するということですよね?

阪奈:そうですね。

払猿:では、「審査基準論」の特徴は何ですか?

流相:精神的自由権の規制には違憲の推定を及ぼし、経済的自由権の規制には合憲の推定を及ぼしたうえで、保護強度・制限強度に応じて審査基準を定立する考え方です。

払猿:そうです。上手く「審査基準論」の特徴を捉えています。
「比例原則」と何が違うのでしょうか?

流相:精神的自由権・経済的自由権という権利の性質に応じてカテゴリカルに審査密度(裁判所の審査スタンス)を設定する点でしょうか?

払猿:そうです。その点が一番違います。「比例原則」には、権利の性質に応じてカテゴリカルに審査密度を設定するという視点はないのです。制約されている権利がどういう性質かを考慮せずに、保護強度・制限強度に応じて規制目的と手段との比例・均衡を検討するのが「比例原則」のそもそもの考え方です。
あと1点違う部分がありますが、わかりますか?

教室内: ・・・

払猿:「比例原則」は行政法のキーワードと先程言いました。そのことが関係しています。行政法は、何を前提としていますか?

阪奈:行政法の基本原理は「法律による行政の原理」ですから、法律の存在を前提としていると思います。

払猿:そうです、そこです。行政法は、法律の存在を前提としているのです。
そのため、行政法では、立法目的は所与のものとして検討対象から除外されているのです。所与の立法目的を実現する手段として、その手段が「比例・均衡」しているかを検討するのが「比例原則」の特徴です。
そうすると、「審査基準論」と違う点はどこですか?

阪奈:「審査基準論」では、立法目的について権利の性質によっては厳格に審査することがあります。つまり、「審査基準論」では、立法目的の審査もする点が「比例原則」と異なるかと思います。

払猿:そうなりますね。まとめると、次のようになります。(そういうと、白板に字を書き始めた)

(1)権利の性質に応じてカテゴリカルに審査密度を設定するのか?
(2)立法目的を審査するのか?

では、この違いはどこからくるのでしょうか?その大本を正確に理解する必要があります。

・・・その6へ続く。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信することができます。

19人の購読者に加わりましょう

参加ブログランキング

応援クリックのご協力お願いします!!
 ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ

Twitter

About CopyRIght

※当ブログにおける文章および内容・キャラクターは当ブログオリジナルのものであり、著作権は当サイトにあります。
商用・私用を問わず当サイトの著作権記載の無い【無断転載・無断印刷・無断複製、模倣および転用】を固く禁じております。

※当サイトは司法試験に関するブログやサイトに限り、リンクフリーです。サイト名とリンクをお間違えの無いようお願いいたします。
また、当ブログへのコメント・トラックバック、クレジット付きのリンク引用などは歓迎しております。
その場合、連絡は不要です。

※不明な点や疑問点、ご指摘等ございましたら、下記問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。


テキストリンクは以下をコピペでどうぞ。
<a href="司法試験分析.com">司法試験分析.com</a>

問い合せフォーム