憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

間接従犯【対話】司法試験論点分析・”暗黒の章” 共犯論23

玄人: 問題は、「正犯を促進する」という内容なんだ。
 「正犯を促進する」ということについて「不法共犯論」と「因果的共犯論」とで変わってくる。

神渡: (正犯を介して)結果を因果的に惹起する点に共犯処罰の根拠を求める「因果的共犯論」からは、結果発生を促進することが要求されるはずです。

玄人: そうだ。
 じゃ、「不法共犯論」からは?

神渡: 違法な正犯行為の惹起に共犯処罰の根拠を求める「不法共犯論」からですと、正犯行為(実行行為)を促進することが要求され、結果発生を促進することまでは不要かと。

玄人: そういうことになる。

流相: う〜ん・・・
 結局、「幇助の因果性」って、「共犯の処罰根拠論」からストレートに結論が導かれるわけではないんですねぇ・・・
 「因果性」の理解をめぐる議論を挟むと・・・
 ただでも「共犯」の議論は難しいのに「因果性」をめぐる議論もしないといけないと。

玄人: だから初めに言ったろ?
 共犯論は「暗黒の章」だと。

流相: ・・・

玄人: では、次に「間接従犯」について検討してみよう。
 「間接従犯」とは?

流相: 従犯を幇助することです。

A(幇助)→B(幇助)→甲(刺突行為)→乙(死)

流相:が具体例です。

玄人: 「間接従犯」についてどうなる?

流相: これも「共犯の処罰根拠論」から検討すると思います。
 (正犯を介して)結果を因果的に惹起する点に共犯処罰の根拠を求める「因果的共犯論」からすると、結果の因果的惹起があれば幇助犯として処罰可能となります。

玄人: で、どうなるんだ?

流相: つまり、結果発生を促進すれば幇助犯として処罰可能と考えるのが「因果的共犯論」ですから、正犯(甲)と幇助者(A)との間に別の幇助者(B)がいたとしても、AがBを介して正犯者甲による結果発生を促進したと言える場合はAを幇助犯として処罰可能となります。

阪奈: 珍しく流相が上手く回答してる。

流相: ”珍しく”は不要だ!

---次回へ続く---

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