憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

「純粋惹起説」の処罰根拠論としての純粋性【対話】司法試験論点分析・”暗黒の章” 共犯論19

玄人

「固有犯説」vs「借受犯説」

玄人:の対立が、「共犯処罰根拠論」の対立軸になっている。
 さらに言うと・・・
 個人責任を徹底した説が「純粋惹起説」ということになる。
 「混合惹起説」(私が言う「修正惹起説」のことだが)を批判する文脈で、葛原先生は、こう言っている。

他人が犯罪成立要件の一部を実現したことを要件とすることがすでに個人責任という考え方とは相容れない(葛原力三『共犯の処罰根拠と処罰の限界(下)』(法学教室2004年3月号<282号>、68頁)

神渡: なるほど!
 「個人責任」の貫徹を巡って「修正惹起説」と「純粋惹起説」は対立しているのですね。

玄人: そういうこと。

阪奈: そう考えますと、「共犯の処罰根拠論」としては、「純粋惹起説」が純粋に共犯の処罰根拠を議論しているように思います。

流相: えっ?どういうこと?
 だって、「修正惹起説」だって、「共犯の処罰根拠論」を巡る学説なんだけど?

阪奈: どちらも「因果的共犯論」なのだけれど、「修正惹起説」は、結果の因果的惹起に加えて共犯処罰を限定する要件として正犯従属性を要求しているわよね?

流相: そうだね。

阪奈: で、「純粋惹起説」は、結果を因果的に惹起すれば共犯処罰は可能で、共犯処罰の限定は、別の要件の問題とするのよね?

流相: ん?

阪奈: つまり、「修正惹起説」も、「共犯の処罰根拠」は結果を因果的に惹起した点にあることを認めているの。
 その上で、共犯処罰を限定するための要件(正犯従属性)も「共犯の処罰根拠」に入れている。
 でも、共犯処罰限定要件(正犯従属性)は、何故実行行為をしない共犯が処罰されるのか?という「共犯の処罰根拠論」とは異質なのではないかしら?

流相: あぁ〜、まぁたしかにねぇ。
 実行行為をしない共犯が何故処罰されるのか?つまり、共犯処罰の基礎付けを巡る議論が「共犯の処罰根拠論」で、
 正犯従属性は、何故共犯処罰を限定するのかの議論で、何故共犯が処罰されるのかという議論とはベクトルが逆ではあるからな。

阪奈: そうすると、「共犯の処罰根拠論」としては「純粋惹起説」が純粋に共犯の処罰根拠を議論しているわよね。
 すっきりしているし、美しい議論の気がするわね。

流相: 学説に”美しい”とかないでしょ!

阪奈: あら、どんな学問の世界でも美しいものはあると思うわよ。

玄人: 「共犯の処罰根拠論」を巡る学説について一応まとめておこう。
 流相頼むぞ!

流相: え〜、なんで僕が・・・

---次回へ続く---

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信することができます。

19人の購読者に加わりましょう

参加ブログランキング

応援クリックのご協力お願いします!!
 ↓   ↓   ↓   ↓  
にほんブログ村 資格ブログ 司法試験へ

Twitter

About CopyRIght

※当ブログにおける文章および内容・キャラクターは当ブログオリジナルのものであり、著作権は当サイトにあります。
商用・私用を問わず当サイトの著作権記載の無い【無断転載・無断印刷・無断複製、模倣および転用】を固く禁じております。

※当サイトは司法試験に関するブログやサイトに限り、リンクフリーです。サイト名とリンクをお間違えの無いようお願いいたします。
また、当ブログへのコメント・トラックバック、クレジット付きのリンク引用などは歓迎しております。
その場合、連絡は不要です。

※不明な点や疑問点、ご指摘等ございましたら、下記問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。


テキストリンクは以下をコピペでどうぞ。
<a href="司法試験分析.com">司法試験分析.com</a>

問い合せフォーム