憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

真逆の発想!【対話】司法試験論点分析・”暗黒の章” 共犯論3

阪奈: 「主観主義刑法理論」からは、(1)正犯の場合も(2)幇助の場合も、どちらも行為者の「犯意」は同じくらい悪質だから、この理論を貫くと「正犯」と「共犯」の違いはないことになります。

玄人: 「主観主義刑法理論」を貫くとそうなる。
 (2)の幇助は、本来正犯だが、刑法が共犯とくくっているので「刑罰縮小事由」ということになる。
 ということは、つまり「主観主義刑法理論」からの「共犯の処罰根拠」はどうなる?

流相: ???

神渡: 理論からすると、幇助は正犯と同じ処罰でいいのですが、刑法はそれを縮小しているのですから、主観主義刑法理論からの「共犯の処罰根拠」は、何故共犯は刑罰が縮小されるのか?ということになりそうです。

玄人: 良いところに気がついた!

流相: えっと、よく分からないのですが?

玄人: そもそも「共犯の処罰根拠論」とは?

流相: それは、何故共犯が処罰されるのか?ということを論じる議論のことだと思いますが。

玄人: そう。
 何故、共犯が軽く処罰されるのか?という議論ではないはずだ。

流相: たしかに!

阪奈: 「主観主義刑法理論」は、現在論じられている「共犯の処罰根拠論」とは発想が真逆だということですね。

玄人: そうそう。
 この発想の違いが分かるかなぁ?
 現在論じられている「共犯の処罰根拠論」は、何故共犯が処罰されるのか?だ。
 これは、前提として、共犯は本来処罰されないはずだが?という発想に基づいている。
 つまり、この発想は、共犯は「刑罰拡張事由」という発想なんだ。

流相: そういえば、共犯の初めの方に「刑罰拡張事由」とか「刑罰縮小事由」とか書かれていました。
 そういうことだったんですか!

玄人: 基本書に無駄な言葉はないんだよ、流相君。
 そして、さらに言えば、この「刑罰拡張事由」としての共犯の理解は、「客観主義刑法理論」を基礎とするんだ。

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