憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

【対話】憲法(事例問題の解法)~始まり~


話が若干前後します。
神渡が入学して今まで、刑法の講義の話題だけでしたが、実は憲法の講義も並行して行われています。
刑法の講義でも少し憲法が出てきたように、憲法は全ての法律の基礎なので、これから、憲法の【対話】も混ぜていきたいと思います。

「今日は、憲法の講義の初日だわ。
憲法は高校までに勉強したからもしかしたらマスターしやすいかもしれないわね。」
神渡はそう思いながら先生が来るのを待っていた。

ガチャ
「皆さん、こんにちは!私は憲法の講義を持つ払猿(フッサール)です。」

「払猿?なんて名前なの。聞いたことない。日本には名字が多いって聞くけど、その通りね。初めて聞いた名前だわ。日本も広いのね。」
神渡はそう思いながら払猿先生を見た。

背格好は170cm位、体格はがっしりしている。
上級生同士の会話から聞こえてきた情報によると、空手をやっているらしい。
刑法の玄人先生とは真逆な感じかしら。
ともかく、今日から憲法、楽しみだわ!

払猿:今日から、憲法の講義を始めます。この講義では芦部信喜先生の『憲法(第5版)』(高橋和之補訂)を教科書として指定しました。
参考文献としては、色々ありますが、長谷部恭男先生の『憲法(第5版)』と松井茂記先生の『日本国憲法(第3版)』をシラバスでは紹介しております。
違う本を読み比べると理解が深まるので是非勉強してください。特に松井先生はこれまでの憲法の流れとは別の流れなので、松井先生の本を読むと通説的見解の理解が確実に深まると思います。
では、始めましょうか?えー、まず、憲法の条文を読んだことのある人?

阪奈:はい、あります。法学部でしたから。

払猿:法学部の方は読んだことがあるでしょうね。逆に読んだことがない法学部生がいたらビックリです。
では、他学部出身の方で憲法の条文を読んだことがある方?

神渡:はい。前文は中学校の時に読んだ(読まされたんだけどね)ことがあります。しかも、曲付でした。

払猿:ほー、曲つきね。たしかに、曲付の憲法前文がありましたね。今は手に入らないのでしょうか?熱心な先生だったのですね。本文は読んだのでしょうか?

神渡:いえ、中学校でも高校でも本文を読んだことはありません。

払猿:ま、そうでしょうね。補則を除けば100条に充たない(99条)数の条文しかないのですが、意外に国民には読まれていないのですよ。最近は、憲法改正議論のおかげもあり、憲法の条文を載せた本が売れているようです。嬉しいことですね。
今日は、まず、憲法の役割について確認しましょう。
憲法は何のためにあるのでしょうか?

流相:はい。国家権力を制限するためです。

払猿:そうですね。一般的にはそう言われています。
「国家権力の制限」、という点を決して忘れてはいけません。制限されるのは「国家権力」であるという点も忘れてはいけません。つまり、国民は憲法に服従する義務はないということです。そのことを押さえた上で次に行きましょう。
これからの講義では、憲法の解説はもちろんしますが、憲法の理解をもってどうやって憲法問題を解くのか?という事例分析に力を入れていきます。
事例を分析する際、何に着目して何を基準に事例を分析するのか、という思考枠組が重要です。ですので、その思考枠組についてまずは検討しましょう。
これまでは、「権利論」の思考枠組が主でした。これに対して、最近、ドイツ憲法に範を取った「三段階審査論」の思考枠組を主張する者が増えてきました。この2つの対立を軸に事例分析の思考枠組を検討しましょう。

流相:先生、いきなり、「権利論」と「三段階審査論」の話ですか?難しくないですか?

払猿:思考枠組がないと憲法問題を解くことは出来ないのですよ?
もちろん、抽象的な議論をするのであればこの議論は難しくなります。ですので、具体的な事例を基礎にしながら検討しましょう。
あ、そうそう、思考枠組の重要性について法学概論で説明はありましたか?

流相:はい、ありました。玄人先生が『判断枠組』に従うことが法律家の特徴で、『判断枠組』は航海に例えると羅針盤に相当するとおっしゃっていました。

払猿:なるほど。では皆さんしっかり理解されていますね。憲法にも『判断枠組』があります。私は、先程「思考枠組」といいました。これは、事例問題を解く際の頭の働かせ方のことを意味しています。『判断枠組』よりも広い概念という位置づけです。結論だけ言っておくと、私が憲法で『判断枠組』というときは、合憲性判断基準のことを念頭においていますので注意してください。
では、具体例をまず挙げて事例問題の思考枠組を検討しましょう。

(事例問題の解法 その2)へ続く・・・

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