憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

「委任」と「請負」・【民法】の解法獲得のコツ-Part 4-【対話】司法試験論点分析◇合格方法論◇22

上場: ですが、風邪の治療行為の依頼が常に「準委任契約」になるとは限りませんよ!

流相: え~~!

上場: 流相君が病院に行って、風邪を治してください、とお願いして、医者が、”わかりました。風邪を完治させます”ともし言ったとしたら?

阪奈: あっ、「請負」(632条)になります。

上場: そうなるでしょうね。
 具体的には?

阪奈: 「請負」の要件は、
(1)仕事完成の意思表示と
(2)仕事結果への報酬の支払いの意思表示
です。
 ”風邪を治してください”と依頼し、医者が”風邪を完治させます”、と言ったとすれば、それは、(1)仕事完成の意思表示があったいえます。
 流相が医者との間で、風邪が完治したら治療費を支払うとの意思を表示してあれば(2)もあります。
 仕事完成の意思表示があれば、「委任」ではなく、「請負」の問題となりますので、医者がどういう意思表示をしたのかが「委任」と「請負」を分ける分岐点となると思います。

上場: そうなのです。
 「委任」と「請負」の冒頭規定の相違をしっかり理解しておかないと、当事者間のある合意がどの契約類型に該当するのか分からなくなってしまいますので、冒頭規定の理解はとても重要なものとなるのです。
 ちなみに、先ほど挙げた美容整形は、通常「請負」となります。

神渡: 結局は、治療行為が「委任」だとすると、医者は、善管注意義務(644条)をもって治療行為にあたれば、たとえその結果、治療が功を奏しなかったとしても、流相君は医者に治療費を支払わないといけない、ということになるのですね?

流相: じゃあ、治療行為が「請負」だとすると、医者は、僕の風邪を完治させることができなければ、僕は医者に治療費を支払う必要がないということになるのですね?

上場: 神渡さんと流相君の言うとおりです。
 冒頭規定の重要さが分かったのではないでしょうか?

流相: はい!

阪奈: 私も。

神渡: よく分かりました。
 なんだか、刑法の構成要件みたいですね。

上場: 思考としては同じですね。
 そもそも法律は、「要件→効果」の仕組みを持っており、それはどの科目にも共通する仕組みですからね。

流相: 刑法の話が出てきたついでと言っては何ですが、刑法の解法獲得のコツも教えていただけないでしょうか?

上場: 上手く誘導されてしまいましたね(笑)

---次回へ続く---

追記
下記2点のご指摘がございました。
(1)「合意と意思表示の合致を混同している」
「請負契約の成立要件は、請負人の仕事の完成の意思表示と注文者の報酬支払の意思表示の合致」とのご指摘の通りです。本文の説明はミスリーディングでしたので訂正させていただきます。
ご指摘ありがとうございました。
(2)「「風邪を必ず治します」という意思表示について」
「おそらく病院の窓口で診察券を出して、診察室に入った時点で、準委任契約は成立し、医師が「必ず治します。」と言ったところで、準委任契約の成立に影響しないでしょう。」とのご指摘がございました。
これについては、本文の説明は、委任契約と請負契約の違いを理解するための「教室設例」です。ご理解いただけますと幸いです。

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