憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

不作為共犯の作為義務の内容は?【対話】司法試験論点分析◇刑法過去問講義-その21-◇平成26年度[刑事系科目 第1問]

流相: じゃあ、不作為による幇助の作為義務の判断基準はどうなりますか?
 甲の作為義務を検討した際の基準(排他的支配説)とは違うことになりそうですが・・・

玄人: 当然そういう質問になる。
 神渡さんの質問もそういうことだ。
 (1)不作為正犯と不作為共犯の作為義務の判断基準は同じなのか?違うのか?
 (2)違うとしたらどういう基準にするのか?

流相: なるほどぉ・・・

玄人: まずは、(1)から検討しよう。
 どうなる?

流相: どうなる?と言われましても・・・

玄人: 考えるんだよ!
 ヒントとしては、”正犯・共犯の処罰根拠”がポイントだ。

流相: えっと、正犯が処罰されるのは、結果を惹起したからで、共犯(幇助)が処罰されるのは、正犯による結果惹起を容易にしたから、です。
 あっ、結果を惹起したという正犯の処罰根拠から、不作為正犯の作為義務の判断基準(排他的支配説)を導いたんです。

玄人: もうちょっと説明して。

流相: はい!
 ”結果を惹起”するためには、結果発生の危険性を創り出して、因果経過を支配することが必要です。
 そこから、不作正犯の作為義務の判断基準として排他的支配説を導いたんです。

玄人: 良いねぇ。そういうことだ。
 とすると、(1)の結論はもう出たな。

流相: はい!
 共犯(幇助)の処罰根拠は、結果惹起そのものではなく、正犯による結果惹起を容易にした点にありますから、正犯と共犯の処罰根拠は違います。
 ですから、(1)不作為正犯と不作為共犯の作為義務の判断基準は異なる、ということになります。

玄人: そういうこと!良くできた。
 では、(2)どういう基準にすべきか?

流相: 不作為正犯の犯罪遂行を困難にする(思いとどまらせる)だけの人的関係が不作為正犯との間にあったか?

玄人: うん、良いんじゃないかな。
 結果惹起を直接避けるための作為が課されるのが不作為正犯の作為義務の問題で、不作為正犯者に不作為状態を解消するよう働きかける作為を不作為共犯者に課して不作為正犯者による結果惹起を避ける、というのが不作為共犯の作為義務の問題だということだ。
 ということは、不作為正犯者に不作為状態を解消するよう働きかけることができる人的関係が不作為正犯者と不作為共犯者との間に築かれていることが必要だろうな。

阪奈: 考えたことなかったですけど、たしかにそうですね。
 不作為正犯者は被害者との関係で作為義務を検討し、不作為共犯者は不作為正犯者との関係で作為義務を検討する。
 それは、正犯・共犯の処罰根拠から導かれると。

玄人: 上手くまとめたな。
 では、次はその基準に当てはめよう。

---次回へ続く---

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