憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

事実へのあてはめ 【対話】司法試験論点分析◇刑法過去問講義-その13-◇平成26年度[刑事系科目 第1問]

流相: さて、いよいよ、あてはめ作業ですね。
 学説の理解よりは易しいと思うんですけど・・・

玄人: ほ~、そうだといいな。

流相: なんか怖いですけど・・・

阪奈: ともかく早速あてはめまをしましょう。
 まずは、学説としては、保障人的地位の判断基準は、(c)排他的支配説を採用するということでいいですか?

神渡: はい、私は良いです。

流相: まぁ、僕もOKです。

阪奈: まずは、Aの母親である甲の罪責から検討したいと思います。
 どの行為が問責の対象となりましたっけ?
 というか、そもそも何罪の検討をしますか?

神渡: 甲はAを殺害することを決意し、結果Aは死亡していますから、殺人罪(刑法199条)の検討をします。

流相: そうだね。
 しっかしとんでもない母親だな!理解できないよ!!

阪奈: そういう感情で処罰できない者を処罰しないように気をつけないと!

流相: ・・・
 問責の対象となる行為は、7月1日朝を最後にAに授乳等を一切しなくなった、という不作為だね。
 その不作為が殺人罪の実行行為に該当するか?を検討すればいいと思う。

神渡: そうね。

流相: じゃあ、甲に保障人的地位が認められるかの検討だね。

神渡: あの、ちょっと待って欲しいです。
 本問で甲は7月1日朝を最後にAに授乳等を一切しなくなったわけだけど、その時点では、Aは元気だったのだから-7月1日朝まで、Aは順調に生育し、体重や栄養状態は標準的で、特段の疾患や障害もなかったわけだから-7月1日朝時点の甲の不作為には、A死亡結果の具体的危険性が認められないと思うのだけれど・・・

流相: あぁ、たしかにそうだね。
 問題文には

①約24時間を超えると、脱水症状や体力消耗による生命の危険が生じ、
②約48時間後までは、授乳等を再開すれば快復するものの、授乳等を再開しなければ生命の危険が次第に高まり、
③約48時間を超えると、病院で適切な治療を受けさせない限り救命することが不可能となり、
④約72時間を超えると、病院で適切な治療を受けさせても救命することが不可能となる

流相:と書かれているね。

神渡: ということは、7月1日朝の時点では、甲の不作為には、A死亡結果の具体的危険は生じていないのだからこの時点で甲に保障人的地位が認められるかを検討する必要はない、と理解して良いんですよね?

流相: え~と・・・
 そういうことになるのかな?阪奈さん?

---次回へ続く---

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