憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

正犯既遂における危険の支配とは? 【対話】司法試験論点分析◇刑法過去問講義-その11-◇平成26年度[刑事系科目 第1問]

神渡: (c)排他的支配説が流相君がさっき言ったように”正犯性”に着目した見解だとすると、”排他的支配”と排他性を除いた単なる”支配”とはどういう理由で対立しているんですか?

玄人: おぉ、良いところを突くねぇ・・・
 正犯にも2つあるんだが・・・何かな?

流相: 正犯に2つあるんですか?
 あっ!直接正犯と間接正犯ですね?

玄人: いや、違う。
 質問が悪かったかな?
 ”~正犯”ではなくて、”正犯~”なんだが・・・

阪奈: 正犯”既遂”と正犯”未遂”ですか?

玄人: お~、そうそう。

流相: へ?
 正犯”既遂”とは正犯”未遂”とかって聞いたことないですが・・・

玄人: 通常は、殺人既遂、殺人未遂という言い方だもんな。
 だが理屈としては、殺人の共犯の未遂というのもあるから、厳密には、”殺人既遂”といっても、殺人の正犯の既遂なのか?共犯の既遂なのか?という分類がある。

流相: あ、そうかぁ!
 で、既遂と未遂でどう違ってくるんですか?

玄人: ちょっとは、自分でも考えるんだぞ、流相!

流相: ・・・
 え~と・・・

玄人: ヒントをあげよう。
 不真正不作為犯処罰を作為”正犯”との同価値性ある場合に肯定する場合、結果発生の危険性を支配した不作為者に作為”正犯”との同価値性が肯定されたよな?
 ここでの、”結果発生の危険性を支配”というのが、正犯”既遂”と正犯”未遂”で変わってくるはずなんだが・・・
 ほとんど、答えを言ったようなものだ・・・

流相: ちょっ、ちょっと待ってください、え~と・・・

神渡: 危険の支配が既遂と未遂でどう変わってくるのか?ということを考えれば解けますか?

玄人: そうそう、そういうことだ!

流相: あ~、そういうことかぁ。
 それなら自分でも考えられそうだ。

阪奈: じゃ、どうぞ。

流相: いやいや、お手柄は阪奈さんにあげるよ~。

阪奈: 考える気ないんじゃないの?

流相: イメージはあるんだけど、上手く言葉にできそうにない・・・
 ちょっと時間が欲しいから阪奈さんが答えて。

阪奈: 私もよくは分からないけど、具体例を挙げて危険の支配が既遂と未遂でどう変わってくるのか、をまずは考えようと思う。
 たとえば、

AがBの腹部をナイフで刺して、Bが失血多量で死亡した

阪奈: という殺人罪の(正犯)既遂の事例で考えるわね。
 この場合、AはナイフでBの腹部を刺しているわ。
 この行為(ナイフ刺突行為)が、B死亡の原因行為であることは明らかね。
 ということは、Aのナイフ刺突行為がB死亡の危険性を創り出しているわ。

神渡: そうね。
 AがB死亡の”危険を設定”しているということ、つまり、AがB死亡の”危険を支配”しているということよね?

阪奈: そういうことね。
 で、既遂の場合、行為者がさらに”因果経過も支配”しているといえそうね。

流相: え?阪奈さんって”目的的行為論者”なの?

阪奈: もちろん違うわよ!
 ”目的的行為論者”でなくても”因果経過の支配”ということが考えられるわけ。

流相: はぁ??
 なんで?

---次回へ続く---

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