憲法・刑法をメイン素材として【論点】を巡る学説を可能な限りシンプルに分析したり、【過去問】の分析などをしてます。 理系からロースクールに入学した女学生・【神渡(カント)さん】と、男性教授・【玄人(クロード)先生】の対話などを主として物語は進みます。 単に学説を分析するだけではなく、その分析結果を過去問や判例の理解にどう活かせるかについても検討する予定です。

『「公権力の主体」該当性の判断基準~公権力とは?~』 【対話】司法試験論点分析◇行政法過去問講義-その6-◇平成25年度<第2問>

神渡:ですが、富公先生、「公権力の主体」ってどう判断するんですか?
東京都というだけで「公権力の主体」ではないとすると、東京都がどういうことをする場合に「公権力の主体」となるのか私には分からないのですが・・・

富公:良いところを突きますね。
とても良い質問です。
「公権力の主体」該当性の判断基準がさらに問題になるんです。

流相:え~!
「処分」該当性の判断基準のなかで、さらに「公権力の主体」該当性の判断基準が問題となるんですか?
ややこしいです。

阪奈:でも、そこを理解しないと「処分」の該当性判断ができないことになるようよ。

流相:だよねぇ~。
じゃ、頑張ります!

富公:まず、「公権力」って何でしょうね?

流相:無理強いする力、だと思います。

阪奈:露骨な表現ね。

富公:まぁ、表現に問題はあるかもしれませんが、本質はそうですね。
一般的な表現としては、”強制力”と言い換えてもいいかもしれません。
強制力というのは、私人は持ちませんよね。

神渡:ですが、契約をすれば、私人はその契約に拘束されますから、たとえば、腕時計の売買契約をすると、売主は腕時計を引き渡す義務を負います。これも強制力の表れではないですか?

富公:また良い質問が出ましたね。
今、契約のたとえ話をしようと思っていたところなんです。
神渡さんがおっしゃるように、たしかに、腕時計の売買契約をすると、売主は腕時計を引き渡す義務を負います。
売主は腕時計を買主に引き渡さなければなりません。
では、売主がその義務を果たさなかった場合、買主はどうしますか?

神渡:自力で取り上げることはできません。
自力救済は原則として禁止されていますから。

富公:そうですよね。
では、買主はどうしましょう?

神渡:それは、裁判所に訴えて時計を引き渡してもらうしかありません。

富公:ということは、裁判所が介して初めて買主は売主から腕時計を受け取ることができるわけです。
その際、強制力を行使しているのは誰でしょうか?

神渡:それは、裁判所です。

富公:そうですね。
売主は買主に腕時計を引き渡せ、と裁判所が判決をすれば売主の意思に反してでも裁判所はその判決通りに腕時計を売主から取り上げて、買主に引き渡さなければなりませんね。
正確には、判決文を債務名義として強制執行という手続きを踏む必要があるわけで、判決文だけでは判決内容を強制的に実現することはできませんが、いずれにしろ、強制力を行使するのは裁判所なわけです。決して契約当事者が契約に基づき強制力を行使するわけではありません。
まずは、そこのところを確認しておきましょう。

では、「国または公共団体」、つまり、国家が公権力を行使するとはどういうことでしょうか?

流相:それは、今の流れからいうと、国家が強制力を行使するということだと思います。

富公:そうですよね。
なお、一応、確認しておきますが、ここでの国家とは、行政主体としての国家のことですよ。裁判所や国会を含みませんので注意しておいてください。

神渡:”国家が強制力を行使する”
とは、どう判断すればいいのでしょうか?
国家が関与する以上、国家の行為はすべて強制力の行使に思えてくるのです。

阪奈:たしかに!そうですよね。

富公:これもまた当然に持つべき疑問ですね。
しかし、なかなか、その質問をした学生はいませんでしたよ。

---次回へ続く---

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